2136人が本棚に入れています
本棚に追加
2 説明書
「まず、はじめに。
この世界の最強装備をアンタにあげる寛大な私に感謝しなさい!」
「って誰やねん!」
「誰って…、楓香だよ、お兄ちゃん」
「いや、そうじゃなくて…。
まぁ、ええわ、続けて」
今、謎の人物からの説明書らしきものを、妹の楓香が読み上げてくれている状況である。
ちなみに妹は少し変わっている。
関西人なのに、全く関西弁を使わないのも未だに謎である。
「この世界はモンスターがたくさんいるから危険なの。
だから外に出る時は、必ず鎧と剣は装備していくように!
ちなみに剣はこの小屋の外にあるからね。
って、別にアンタの事なんか全然心配してなんかいないんだからね!
P.S.
楓香ちゃんの事はアンタが守ってあげなきゃダメなんだからね!
…らしいよ、お兄ちゃん」
情報量少な!
てか、説明書というよりも、手紙というか…。
なんなら、さっき鎧に貼ってあったメモ一枚で十分収まる内容やん…。
「まぁ、とりあえず外に出てみて、ホンマに剣が置いてあるかどうかってトコやな…」
妹に聞こえるか、聞こえないかのような小声で独り言を言いながら、オレは部屋のドアを開けに行った。
最初のコメントを投稿しよう!