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3 装備品
部屋のドアを開けるとそこは外であった。
謎の人物からの説明書?にもあったように、ここは何かの建物の一室ではなく、ひとつの小屋のようだ。
森の中にあるログハウスといった感じだろうか。
非常に天候も良く、小屋の前には綺麗な湖があり、ピクニックをするのであれば、絶好の日和であり、絶好のポイントであろう。
「よう!
やっと目が覚めたかい、兄ちゃん」
爽やかな気分を味わいかけていたその時、どこからともなく野太い声がオレに語りかけてきた。
「こっちだ、兄ちゃん」
声がする方に目をやると、一本の剣がオレの頭上よりも高い位置に浮いていた。
この時、オレは確信した。
これは完全に夢であると。
「あ~、どうも。
なんか剣がこの小屋の外にあるって書いてたんで、見に来たんですけど…。
あなたの事でいいんですかねぇ?」
「まぁ、そうだろうな。
剣っていやぁ、ここには俺様しかいないからな」
「いやぁ、まさか剣が会話できるなんて思ってもいませんでしたから、ビックリしましたよ。
色々と聞きたいことがあるんですけど、ちょっといいですか?」
「構わなねぇぜ。
…ああ、悪りぃ悪りぃ。
外じゃなんだし、小屋の中でゆっくり話そうぜ」
剣はそう言うと、空中から落下して、オレの目の前の地面に突き刺さった。
要は小屋の中に剣を持っていけ、という事か?
とりあえず、オレはその剣の柄を握り、小屋の中に戻ることにした。
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