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4 旅立ち
「すっごい良い天気!
わぁ!
ねぇ、見て見て!
すごく綺麗な湖があるよ、お兄ちゃん!」
爽やかな風景の中で、無邪気にはしゃぐ可憐な妹…ここは天国か?
…まぁ、天国じゃなくて、夢の中での異世界なんやけどな。
「ご主人様、妹君に見とれるのは構いませんが、これからどうなさるおつもりですか?」
「今日はここでバーベキュー!
…とかダメですよね?」
「俺様は構わないぜ!
と言っても、今の俺様は腹いっぱいだから、何も食わねぇけどな」
剣は空中をブンブン飛び回りながら、オレにそう語る。
ちゅうか、剣やのに、腹いっぱいって…。
こいつ、食べもんいるんか?
って、それ言い出したら何で喋ってんねんって話か…。
さすが、夢の中やな。
それにしても、こいつ剣やのに、鞘に収まる気無いんやろうか?
てか、そもそも鞘持ってへんねんけどな、オレ。
てことは、もしモンスターに遭遇したら、勝手にやっつけてくれるとかいうオチ?
「ご主人様、二つ申し上げたい事がございますが、よろしいでしょうか?」
「えっと、なんでしょうか?」
「まず、それです。
あなた様は我々の主人なのですから、そのような敬語はおやめ下さい」
「えっと…、あぁ、そうなん…。
わかった」
「それと、もう一点ございます。
ここでバーベキューをするという行為に関しては何の問題もないのですが、この小屋には食料が一切ございません。」
「えっ?
マジで言ってる?」
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