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「はい。
ですので、バーベキューをするのであれば、何処かから食料を調達して来なければならないという事になります」
「ああ、それなら心配ないぜ、兄ちゃん!
この森の中にはゴブリンとかいるから、そいつら倒して食っちまえばいいんだよ」
えっ!ゴブリンって…、よくRPGとかアニメとかに出てくるあの緑ぃヤツ?
…アレ食うの?
…いやいやいや、無いわぁ。
まぁ、百歩譲って、飢えて死にかけてんならまだしも、こんな爽やかな場所でゴブリン食うとか…。
てか、オレの可愛い妹がモンスター食べてる姿とか絶対見たくないねんけど…。
「そこの駄剣(だけん)!
さっきから黙って聞いてましたけど、ご主人様に対してタメ口で喋るとは、どういう了見ですか?!
殺しますよ!」
うわぁ…なんか鎧の女の人?めっちゃキレてはるやん…。
てか二重人格なんか?
さっきまでの雰囲気と全然違うし…。
女って怖ぇ…。
てか、そもそも女なんか?
まぁ…でも、声からして女やろ…。
「殺す…だと?
ハッ、笑わせてくれるじゃねぇか。
鎧が剣に勝てるとでも思ってんのか?」
剣は余裕の表情?ではなく口調、で宙を舞いながら、まるで鎧を挑発するような態度をとる。
「チッ…」
オレの体…いや、オレの体に装着されている鎧から舌打ちのような音が聞こえた瞬間、背筋が凍るような感覚があった。
そして、一瞬ではあったが、何かドス黒いオーラが見えたような気がした。
「すみませんでした!」
一瞬の出来事であり、オレには何が起こったのかは全くわからないが、足元に転がっている剣からは謝罪の言葉が聞こえた。
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