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「ちゅーか、リースベット。
聞きたい事あるんやけど、ええか?」
「はい。
私がお答えできる範囲であれば」
楓香とリースベットが気まずい雰囲気になっていたので、オレは話題転換を試みた。
というよりも、純粋に気になっていたことだ。
「いくつかあんねんけど…。
せやな、とりあえず、なんでこの島の人間がエルフを受け入れたか?ってことやな。
アリシアの話やとここに亡命してきたんやろ?」
「先程も少し触れましたが、種族として人間は弱いのですが、我々エルフやドワーフとは、さほど戦力差はないのです」
なるほどね。
体的にエルフって線細いし弱そうやもんな。
それに魔法使えるって言ってたけど、戦争で役に立つような強い魔法使えるエルフってこの町にはほとんどいないみたいやしな。
「要するに人間にとって、エルフってそんなに脅威じゃないってことか…。
てか、もしかして、この島って、ドワーフとかもおるん?」
「はい、もちろんです。
この町や人間の街は全てドワーフによって造られたものです。
彼らは手先が器用な上、力もありますからね」
え?そうなん?
エルフとドワーフって仲悪いんちゃうかったっけ?
オレの勝手なイメージか?
「マジで?
ちょっと会ってみたいな…。
って、話逸れてもうたわ。
続けて」
「はい。
戦力差がないのであれば、この島に於いて人間はその数で勝ります。
少数のエルフやドワーフであれば利用価値があると考えたのでしょう。
エルフは狩猟によって得た肉や、森の中にある木の実や果物、薬草などを。
ドワーフは技術や労働力を人間に提供することで共存しております」
「つまり、戦争になったら…?」
「個体数の差は圧倒的…我々エルフやドワーフは確実に負けるでしょう」
即答か…。
そら必死で我も忘れてアリシアのトコに報告に来るわな…。
オレが思っていたよりも事態は深刻なようである。
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