12 計画

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12 計画

「お帰りなさいませ。 会議室で姫様がお待ちでございます。 もし、お時間を頂けるのであればご案内させて頂きますが、如何なさいますか?」 町で夕食を済ませたオレたちが宮殿に戻ってくると、エントランスでメイドに声を掛けられた。 もちろん、答えはイエスである。 会議室に案内されると、テーブルの上には島の地図らしきものが広げられていた。 そして、テーブルを囲むように座っている5人のエルフたちの手元には、それぞれにペンとメモ用らしき紙が置かれている。 彼女たちの真剣な表情から察するに、どうやら本格的な会議が行われていたようだ。 「フーガ様、夜分遅くに、しかも、お疲れの中お越し頂きありがとうございます」 「いや、別に疲れてへんし、全然かまへんねんけど。 それよりも、アリシア、急にどうしたん? えらいかしこまって」 そう言いながら、メイドに促され席に着く。 「はい。 色々とございますが…、今回も重要な案件でございますので、緊張感を持って臨もうかと考えておりまして…。 まずは…ベアトリス…」 「はい…。 楓香様。 昨日は疑うような発言をしてしまったことを深くお詫び申し上げます。 誠に申し訳ございませんでした」 席を立ち上がったかと思うと、深々と頭を下げるベアトリス。 「あ、そんな! 結構ですよ! 頭を上げてください!」 謝罪しているベアトリスに対し、楓香は慌てながらそれをやめさせようとする。 「てか、急にどうしてん? 何事?」 「リベラに向けて放っていた斥候が、実は昼に戻ってきておりまして…」 なるほど…。 実際に報告受けて、半信半疑やったんが確証に変わったってトコか? それに、妙に他人行儀になってんの考えると、ひょっとして、また魔人の力にビビりだしたとか? 「で、オレらを呼んだ理由は?」 アリシアに尋ねたものの、彼女は無言で中々答えない。 そして、それを見かねたのであろうリースベットが口を開いた。 「単刀直入に申し上げます。 フーガ様に、このレイリア島を治めて頂きたいと考えてます」 は? 意味わからん。 どういう事???
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