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5 初めての村
━カン!カン!カン!━
オレたちが集落に向かって歩いていると、まだ距離があるその目的地の方から鐘のような音が聞こえてきた。
「なんか遠くの方から鐘の音聞こえるけど、あれって時間かな?
オレの感覚的には3時くらいやと思うんやけど」
「そうだね、私もそう思う。
ねぇ、お腹も減ってるし、あそこに着いたらお昼ごはん食べようよ!
あ!
でも、私たちお金を持ってないんだった…。
お兄ちゃん、どうしよう…?」
「そういや、そうやったなぁ…。
う~ん…。
そこは…ローズ先生…、なんとかなりませんか?」
「何の問題もございません、ご主人様。
あと、先生と呼ぶのは止めて下さい」
「ごめん、ごめん。
でも、何の問題もないってどういう事?
めっちゃ問題ありありな気がすんねんけど…」
「そうでしょうか?
失礼ながら、私はお金など必要ないと考えております」
「そうなん?
言ってる意味がよくわからんけど、ローズがそう言うんなら、そうなんやろうな…」
まだ数時間しか共に行動していないローズをオレはなぜか信用しきっている。
まぁ、たった数時間であれだけの凄い能力を見せつけられれば、そうなるわな。
しかも全く知らん世界やし…。
って、よう考えたら、ここって夢の中の世界やんな…。
そう考えると、夢の中の案内人ってトコか?
でも、あのクマに遭遇した時の感覚とかリアル過ぎるし、今も蓄積されてる疲労感とか、なんか夢とは思えんよな…。
てか…。
これってひょっとして、マジで異世界?!
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