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それまで褒めたたえていた男に、急に手のひらを返したのだ。
ソウは、そんな住人たちにほとほと愛想が尽きていたが、ダビシェが命をかけて守ろうとしたこの街をなんとかしたいと考えていた。
……クロエは人間を、あんなキメラなんて化け物に変えるような奴だぞ。
なんでそんな奴に従うんだよ。
金か? そんなに金が大事か? クソッたれっ!!
ソウは、次にノリのことを考える。
……結局あのまま雨の中に消えちまった。
捜してた女がダビシェを殺して、それでノリの奴はどう思ったんだ……。
まさかこのまま何もしない気かよ……。
そんなに非暴力が好きか?
でも、それじゃ何も守れねぇ……。
戦わねぇと何も守れねぇんだよ!!!
ソウは、煙草をくわえたまま立ち上がって歩き出す。
その腰には、以前に闇市場で盗んだサーベルが下げられていた。
……クロエとあの女剣士は俺が必ず殺す!!
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