第26話 何も聞かず、ただ謝る男

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「お前は本当にバカだ」 「ごめん……」 「言われっぱなしで情けなくはないのか」 「ごめん……」 「もう謝るな」 「ごめん……」 そのやりとりが続くと、ゼラがむせながら笑った。 その笑った様子を見ると、きっと2人は以前にもこういうことがあったのだろうと思わせる。 笑い声を聞いたノリが顔を上げると、ゼラが席を立って言う。 「私が何をしているか知りたいんだろう。……いいだろう。ついて来い」 そういうとゼラは、カウンターに料金を置いてバーを出て行った。
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