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「そのヴィヴェーカーナンダが言っていたおもしれぇことがある。インド人が3人いたら5分たりとも協力しあえないってのがな」
変わらず笑みを浮かべているが、目はけして笑っていない。
そんなダビシェの膝に自分の顔をのせるニンジャ。
ダビシェはそんなニンジャの頭を撫でながら言葉を繋いでいく。
「強固な権力が1つに集中すると一時的には派閥をつくらずにやっていけるが、長続きするもんじゃねぇ。互いに不信感があり、忠誠を誓う相手がころころ変わるのが、この国の常だからな。この街……いや、インドに住む連中はいつも新しい権力者を見つけようとしているのさ」
ノリは困った顔をしてダビシェに訊き返す。
「どうして今そんな話を?」
「いいから聞けよあんちゃん。よそ者のあんたに聞いてもらいてぇんだ」
ノリは少し考えてから言葉を返す。
「じゃあ訊きますけど。その話は変じゃないですか? だってダビシェさんは……」
「ダビシェでいいぜ、あんちゃん」
それまで笑みを浮かべていたダビシェが、急に無表情になってノリの言葉を遮った。
ノリは気を取り直して言う。
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