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「どんな奴かと思ったら、相手はイギリス人のねえちゃんらしい。俺としてはここで精力つけて、若い白人女をデートに誘おうと思ってよ」
顔は笑っているが、やけに殺気立っているダビシェ。
そのデートは、おそらく美味しいものを食べたり、綺麗な夜景を見たりといったものではないだろう。
ダビシェは、この街に踏み込んだよそ者を追い出す気だ。
「イギリスのねえちゃんって……。もしかしてクロエ・グラッドストーンのことか!?」
ソウが両目を見開き、イスから立ち上がり叫ぶように言った。
「なんだ知ってんのか、小僧」
「あぁ、なあダビシェ……」
ソウは、そのイギリス人女性のところへ行けば、ラドに会えるかもしれないと思い、連れて行ってほしい頼んだ。
ダビシェは、表情に疑問を出しながらも、メシが終わったら行くから勝手にしろ、と伝える。
ソウは思う。
……ラドのバカ。
そこにいてくれよ。
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