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第4話 炎の中で
ノリは、窓からすっと中に入る。
体重が軽いからだろうか? まるで猫のように着地音が小さい。
縛られていた2人を見たノリは、その拘束を外そうとした。
「ありゃ? これは時間がかかりそうだよ」
しかし縄を解こうとしたが、きつく結ばれていてなかなか解けない。
「トロトロしてないで早くしろよ!! 時間がないぞ!!!」
「おいソウ!!! せっかくノリさんが助けに来てくれたのにその言い方はなんだ!!!」
ソウが急かすと、その態度が気に入らなかったラドが怒鳴った。
「うるさい!! このままじゃ焼け死ぬんだぞ……って、おい!! そこに使えそうなものはないか!?」
ソウが気づいた先には酒樽があった。
その樽には、長い木の棒や中世を思わせるサーベルなどが詰まっていた。
ノリは中からサーベルを取って鞘から抜き、2人の縄を切る。
「ノリさん!!! ありがとうございます!!!」
「お礼なんて言っている場合じゃないよ。早く逃げないと」
3人が窓から出ようとすると――。
「てめぇら!? どうして縄が!?」
そこにターフィーたちが戻って来た。
ソウが訊く。
「お前こそなんで逃げないで戻ってきたんだよ?」
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