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第9話 同門
立ち上がったダビシェはノリの目の前に立った。
それに合わすようにニンジャも傍へ寄っていく。
ダビシェは、左手を首に当て、頭を上下さながらノリへ声をかける。
「立てよ、とっとと始めようぜ」
しかし、ノリは座ったまま頷く。
ダビシェの誘いを断っているのだ。
レットは立ち上がってダビシェを止めようとしたが、ニンジャがそれを止めた。
今にも噛みつきそうな表情でレットに吠える。
「くっ!? おいダビシェ!! 話がちがうぞ!!」
必死の形相でダビシェに叫ぶレット。
ダビシェは、静かに言う。
「おめぇならわかるだろレット。俺がこうしている理由がよ」
ダビシェがそういうと、ニンジャが吠え、レットに詰め寄った。
レットは後ずさりして大部屋の隅へやられる。
「邪魔が入ったな。さぁ、立てよあんちゃん」
そういわれたノリは、ダビシェを見上げながら言う。
「情けないことを言っていると思うでしょうが、こっちは謝罪に来たんです。そのために現金も用意しました。一体何のためにあなたと殴りあわなければいけないんですか?」
見下ろしながらまた煙草をくわえて、火をつけるダビシェ。
何も言わず、ただ煙を吐き出した。
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