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第13話 イワンのばかに似ている
現れたダビシェにおののくターフィーたち。
ダビシェは、煙草を吸いながら首を鳴らす。
「ワンワン!」
ふらついているソウとラドの横を、ダビシェの犬、ニンジャが通り過ぎて行った。
「お、お前……なんで?」
驚きながら訊くソウ。
「勘違いすんなよ、小僧」
ダビシェは顔も合わせずに答えた。
そして、ターフィーたちに向かいながら続ける。
「忘れちまった奴らにはまた覚えさせなきゃいけねぇ。この街には誰がいるのかってことをな」
ダビシェがそういうと、男たちの中からターフィーが前に出て来る。
額に冷や汗を流しながら、強張った表情で何かを話し始めようとした瞬間、ターフィーが後方に吹き飛んだ。
倒れた彼の顔面には、拳の痕がくっきりと残っていた。
やったのはダビシェだ。
何か言葉を発する前に、ターフィーの顔面へ全力の拳を叩き込んだのだ。
ターフィーを吹き飛ばした後、近くにいた3人がダビシェに襲い掛かって来る。
ダビシェは殴りつけた勢いのまま、蹴りを見舞っていく。
素早く2人の顔面に足の甲と踵をめり込ませ、3人目の腹部に膝を喰らわせた。
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