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第14話 アヒマ
煙草を吸うと、それを投げ捨ててノリへと向かって走り出すダビシェ。
そして、拳を握って殴りかかった。
満身創痍のノリは、それを避けることもできず、頬へまともに喰らう。
吹き飛ばされたノリは、そのまま倒れてプルプルと震えている。
「立てよ、あんちゃん。やり返してこい」
ダビシェは倒れているノリへ言った。
ノリは小さな声で呟くように返す。
「戦う理由がないです。それに……俺の方があなたより弱い」
情けなく声でいうノリ。
ダビシェは、それを見て無理やりノリを立たせる。
そして、その傍へ向かうニンジャ。
ニンジャは、戦いの最中もずっとダビシェの近くにいた。
ノリは、これで終わったと思ったが、ダビシェが言う。
「さっきの子供どもが殺されてもいいのか?」
ノリの腕を持ち上げながらいうダビシェ。
「あなたは殺さない……」
ノリは酔っぱらいのような動きで、にこやかにダビシェに返事をした。
ノリは弱々しくだが、言葉を重ねていく。
「ダビシェ、あなたは殺さないよ。だって、さっきも2人を助けてくれたじゃないですか」
「ああいうのは助けたって言わねぇよ」
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