Life 3. 真実の愛

3/5
39人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
「だって、当分待たされると思ってたから」 「ああ、ごめん。時間が欲しいと言ったからだよね」 「それで、そんなに早く答えが出たの?無理しなくていいんだよ。あなたが板挟みにあっているのはよくわかってるから。大事な人を裏切るようなもんだものね」 僕は彼女のカップを持つ指の動きや、唇を結んでえくぼを作る微笑み、考え込む時の首を傾げる仕草、それに涙目に泳がせる黒い瞳を無意識に観察していた。 そして何故か、昨夜決めていた発言とは逆の言葉を発してしまった。 「僕が母を説得するから、それまで待ってくれないか?時間が欲しいと言ったのはそういう意味だから」 『ハァ?』 その答えに未来の意識が僕の頭の中でパニックに陥っている。 その道に何が待っているかあれ程話して相談したというのに、この運命のターニングポイントで同じ道を歩むと言うのか?
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!