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「わかった。それなら気長に待ってるよ」
彼女は軽い感じでそう言って、メニューを見ながら食事にしようと嬉しそうに微笑んだ。パスタとピザをシェアしようと候補をあげている。
僕もそうだが、昨夜から気持ちが落ち込んで食べ物が喉を通らなかった。それもあり、嘘みたいに食欲が湧いてきた。
「ビールでも飲もうか?」
僕がそう言った時、未来の僕の意識はジャンプして一瞬で消えていた。
その時、母が病気になって死んでしまうという記憶を頭から引き剥がして帰って行った。僕は暫く二重人格的な余韻に慕っていたが、その優柔不断さが彼女を悲しませているんだと反省した。
彼女と結婚することこそが、真実の道だとこのタイミングで自然に感じたのである。
その無意識が未来から来た僕の意識を葬った。
タイムリープの終わりである。
「ねー、大丈夫?なんかぼーっとしてたよ」
「いや、なんかスッキリした気分。悩んでいたのが嘘みたいに思える」
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