1.かつては最強今は犬

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「わんわんわん!!」(わんじゃこりゃー!!) 目を覚ました俺は絶句した。 確か俺は魔王と戦って、魔王を倒したらそのまま気を失って、気がついたら犬になってた。 廃墟になった城のような風景。瓦礫の上で目が覚めた俺はとりあえず周りに人がいないか確かめる。 案の定人の気配は無し。人どころか生き物の反応すらないようである。 「わおーん!」(誰かぁぁぁぁぁぁぁぁ!) ただただ犬の遠吠えが響き渡るだけで返事はない。 この場に居たってしょうがない、とりあえず散策してみよう。ここがどこなのかも分からないし、起きたばかりの時は魔王城とも思ったが、ここまでボロボロにはしてないからなぁ。そもそも城を壊すのが嫌だという理由で荒野で戦った。 何かしらの影響で魔王城に飛ばされたか?実は魔王は生きていて犬にするような呪いの類いを俺にかけたのかもしれない。 魔王が生きていたら人々や仲間が危ないんではないか? さっきまでボーとしていた頭を覚醒させ、城の外へと向かい廃墟を走り抜ける。 一生懸命走る走る走る。‥が、 (なんでよりによって小型犬!?足が短くて走り辛いし、遅いし、すぐに息切れおこすんだけど!?) 少し走ったら足を止め荒い息づかいを整える。再度走り整えるを繰り返しなんとか城の外へと出ることに成功した。 すでに満身創痍。今なら野良猫にすら勝てる気がしない。ましてや、魔物なんかに襲われたらすぐに殺られてしまう。 (犬の姿キッッッッッツ!!そもそも4足歩行に慣れてないから勝手がわかんねぇ!早く呪い解除してもらわないと‥) 今までに体験したことのない感覚に戸惑いながら仲間達を探すために、何もない大地を走り抜けていく。 暫く休みながら移動していると、ふと何かの気配を感じとる。それは仲間のものか、魔物のものか、はたまた魔王の者なのか‥ (前者でお願いします‥前者でお願いします‥) 恐る恐る後ろを振り返ってみると‥ ガガがガガがガガがガガ 体長は5m程だろうか?巨大なゴーレムのような機械兵が軋みながら大きな腕を振り上げていた。
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