5人が本棚に入れています
本棚に追加
いつも一緒で、休み時間もテレビの話をしたり落書きしたりで、二人で盛り上がっていたし、下校時間になると、中沢君と校庭や体育館で遊んでから帰るという毎日だった。
6年生になると、二人でバレーボールの少年団チームに入って、放課後、毎日一緒に練習した。中沢君は運動神経が良かったので、バレーボールもすぐに上手くなった。それに比べて私は、いつも補欠組。中沢君に特訓してもらった。彼は
「もぉー駄目ねぇ。こうするのよ。こうよー。」
と言いながら、フォームをアドバイスしてくれた。
いつも私の隣には、あたり前のように中沢君がいた。本当に大切な友達だった。
しかし、6年生の終わりに事態は急変する。
ある日、他のクラスの全く知らない女の子が、私のところにやって来て、
「あんた、中沢君から離れてくれない。目障りなのよ。」
と言った。私が呆気にとられていると、続けて
「中沢君に告ったら、あんたの事が好きだから、無理って言われたのよね。」
と言ったのである。
私は、その子に無性に腹が立って、
「あんたバカじゃないの。私と中沢君が仲良くしてもあんたにはなんの関係も無いから。私の勝手だから。」
と言って追い返した。
しかし…
私と中沢君の関係は崩壊してしまった。
なぜなら、私も中沢君を初めて異性として、認識してしまったから。
好きとか嫌いとかじゃなく、「おかま」でも私と違う男の子なんだと思ったら、話が出来なくなった。
学校で会っても、ギクシャクしてしまい、バレーの練習にもバラバラに行くようになった。
そうして、小学6年生の終わりに、私達は気まずいまま、卒業式を迎えてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!