おかま男子

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私と中沢君は、同じ中学校に入学した。しかし、私達の中学校はマンモス校で、私は12組、中沢君は4組で、校舎も別だった。さらに、私はソフトボール部で彼はバレーボール部だったので、活動場所も校庭と体育館と離れていたため、ほとんど会うことが無かった。 でも、離れていたのが良かったのか、本当にたまにばったり会った時、私達は、自然に笑顔になれた。そして、両手を前に出し、ハイタッチ。 示し合わせたわけでもなく、自然に手と手を合わせた。 それが、とても嬉しくて、偶然会った時は、必ずハイタッチ。でもそれだけだった。 中学の卒業式の日、帰りに中沢君が私のところにやって来て、 「ねぇ、ボタン交換しよ。」 と言うので、彼の学生服の第2ボタンと私の制服のボタンを交換した。そして、 「じゃあね。」 と言うと、ハイタッチして別れた。 最後にハイタッチした時に、両手を合わせた間から見えた中沢君のキラキラ輝いていた目が、ずっと心に残って忘れられなかった。 私達は、別々の高校へ進学した。 中沢君とは、一度も会ってない。
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