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とりあえず、ブラブラと歩いてみた。
人通りの多い所を。少し入り組んだ裏道を。
土と草の多いところ。
とにかく歩いてみたけれど、ピンとくるような場所はない。
「あっちぃ……」
太陽に照らされ、額を流れる汗をぐっと拭う。
上から照らす太陽と、アスファルトの照り返しは、服の上から肌をじりじりと焼く。
足が、もう、クタクタで少し休もうと、僕はよろよろと建物の影に逃げ込んだ。
「…はぁ…」
多少は涼しいが、少しずつ体力を消耗しているような感覚。
「あ、」
そう言えば、全く今は関係ないが僕はマラソンも徒競走も遅い。
いつも順位がつくようなものはビリ。
特にマラソンなんかは、周りがゴールした随分あとに休憩をとる人達に見守られ「頑張れー」なんて声をかけられながら、何人かの嘲笑う様な視線に耐えながら走る。心の中で「これ以上何を頑張れってんだ」と悪態をつきながら、ヘロヘロになってゴールをする。
かと言って、球技なんかが得意だなんてことも無く、団体競技は大抵足を引っ張っるからチームになった奴らには嫌な顔をされるし、個人競技もビックリするぐらい下手くそだ。
成績は下の下。
「もうこれは……」
僕は地面に居場所がないんじゃないか、なんて。
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