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ハンカチとキウイと…
「じゃあ、お返ししないとね」
上原香織が僕に言った。
酔ってる僕は、無言で上原香織を見た。
「でしょ?、気持ち伝えないと」
「あー…、そこまで教示しますか」
佐々木がウケている。
「ちゃんと教えてあげないとダメでしょ」
上原香織が佐々木を軽く叩いた。
"いてっ"と、佐々木が笑いながら大袈裟にリアクションを取っていた。
「で、さくらんぼって何? さくらんぼのケーキでも貰ったの?」
佐々木が聞いてきた。
「違う、さくらんぼ…だよ、タッパーにたくさん入ってた。」
「タッパーって、確信かよ!」
佐々木がまたウケている。
佐々木は酔っぱらうと笑い上戸になるのか…
「あー…、また来てね、って事だね良かったじゃん」
上原香織がニヤついた。
そうなのか?
また来てねって、そんな事わかるのか?
「だって、入れ物…返しに行くんでしょ? 入れ物だって、わざわざ用意してくれてるんだよ?」
上原香織が僕の顔を覗き込む。
「だから、なおさら何か持っていかないとね」
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