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次の土曜日、僕らはいつもの繁華街に集まった。
出かける前に、僕はまた、谷村にやってもらったように髪型を整えた。
慣れないせいか、時間が掛かった。
こんなことも、いつか慣れて日常の一部になるのだろうか。
「よっ」
僕が待ち合わせ場所に着くと、佐々木と上原香織がすでに到着していた。
「さ、行こうぜ!」
この辺で一番大きいショッピングモールへ向かう。
僕の前を歩きながら、佐々木と上原香織が楽しそうに喋っている。
しかし、どうしてこんな事になったのだろう?
「…じゃあさ、ヒロくんは何がいいと思う?」
唐突に、上原香織が僕に聞いてきた。
僕は話を聞いてなかった。
お返しの話だろうか?
「あ、えっと…」
「いや、そんなのわかんねーだろ、上原の意見聞いた方がいいよ」
佐々木が口を挟んだ。
「ええ? そう言われても、相手の好みとかあるし…」
「そこはわかんねーから、いいんだよ別に…、で、上原だったら何がいいわけ?」
「あたし? 何であたし?」
「だからさ、オレとヒロじゃあ、てんで分からないだろ」
「あ…、そうだね…、確かに」
「ほれ、何がいいか言ってみろ」
佐々木は、上原に近付いた。
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