SOUL FRIEND#41の後

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「なんで死んじゃったのさ!?  なんでだよッ?!! もっともっと 話さなきゃならない事が  いっぱいあっただろ?! ボクの踊りを見て欲しかった・・ ・・誰よりも 誰よりもヒナに 認められたかったのに・・っ!!」 ふるえる手で、マットレスを叩く。 カイの美しいカオが  誰にも分かつことのできない 苦しさに歪み、 涙がポタポタと シルクのシーツに落ちた。 薄暗いアトリエに たたずむ白いバラは 何も応えては来ない。 「どうしてそんなとこ行ったんだよ?! なんでクスリなんかに 手を出したんだよッ!!? ヒナの事、 救えるのはオウジだけだったのか?!」 ヒナが苦しんでいる事を知っていたのだ。 くっきりと目元にひかれたアイラインで、 強く在ろうとしたことも 心の何もかもを見せまいと  全身を黒で覆い隠してしていたことも。 「そうだよ、ボクは見ようとしなかった! ヒナが苦しんでても 孤独でも  どうにでもなれと思ってたよ・・っ!!」 何度も何度も 自分を許し  愛そうと 生きようと 塗り替えてきたはずなのに。 街中に天使を描き    美しい色を重ねてきたはずなのに。 「ボクがヒナを殺したんだっっ・・・ !!」 まだまだ底に行きつかない悲しみが  荒波となって押し寄せて 優しさも 愛しさも  積み上げてきた 希望の欠片の何もかもを、 カイの胸からすっかり押し流してしまうのだ。
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