2輪──what you want ?──

24/24
前へ
/24ページ
次へ
side─A 朝が訪れた。センパイは廃病棟の前に佇み師との再会の時を待っていた。 ………。 「……来ます」 センパイが静かに告げると同時、空から飛来する黒き影。 「センパイ……目は瞑ってろ」 「後輩。気遣いは不要です……私も見届けます」 夜中にウリエルの気配が消えた事をセンパイが知覚した。 センパイの感覚の不備は今のところ不明だけど、身近な天使だったウリエルの気配を見失うことは……ありえない つまりそれは、ウリエルの身が……。 「わかった……行くぞ」 既に変身していた俺はベルトにそっと触れて光のエネルギーを短剣に集約させなかまら居合い抜きの如く身構える。 ─────!───── それ以上、言葉は要らなかった 構えたまま飛び上がった俺と飛来したウリエルは空中で交差し、 奴のナイフを砕いてそのままウリエルの身体を切り、すれ違いながらウリエルは光に包まれる。 ───エルゥを、頼んだぞ── そんな言葉が、聞こえた気がする。 地上に着地すれば既にウリエルの姿は無く、センパイの手には彼の物と思われるディスクが舞い降りていた……。 「おじさま……。御許しください」 全てを見届けやっと、目を瞑れた彼女を強く、輝かしいと思えた。 そして、そんな彼女を頼まれたのだ……俺もまた、それに恥じぬ戦士にならなければと、改めて心に誓った。 第3輪へ続く……。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加