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side─A
朝が訪れた。センパイは廃病棟の前に佇み師との再会の時を待っていた。
………。
「……来ます」
センパイが静かに告げると同時、空から飛来する黒き影。
「センパイ……目は瞑ってろ」
「後輩。気遣いは不要です……私も見届けます」
夜中にウリエルの気配が消えた事をセンパイが知覚した。
センパイの感覚の不備は今のところ不明だけど、身近な天使だったウリエルの気配を見失うことは……ありえない
つまりそれは、ウリエルの身が……。
「わかった……行くぞ」
既に変身していた俺はベルトにそっと触れて光のエネルギーを短剣に集約させなかまら居合い抜きの如く身構える。
─────!─────
それ以上、言葉は要らなかった
構えたまま飛び上がった俺と飛来したウリエルは空中で交差し、
奴のナイフを砕いてそのままウリエルの身体を切り、すれ違いながらウリエルは光に包まれる。
───エルゥを、頼んだぞ──
そんな言葉が、聞こえた気がする。
地上に着地すれば既にウリエルの姿は無く、センパイの手には彼の物と思われるディスクが舞い降りていた……。
「おじさま……。御許しください」
全てを見届けやっと、目を瞑れた彼女を強く、輝かしいと思えた。
そして、そんな彼女を頼まれたのだ……俺もまた、それに恥じぬ戦士にならなければと、改めて心に誓った。
第3輪へ続く……。
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