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「その質問の答えは、私もわかりません。
天使が堕天する理由は我らが主の使いとして在るべき精神性から大きく逸脱した場合が殆どですが
本来、そのような事態は頻繁にはおこりません」
そう言ってセンパイは机上に一枚のディスク、エクシアの遺産を置いた。
「エクシア姉様は私が見習だった頃から面倒を見ていただいてました。
ですので、あの姉様が堕天するなんて……この眼で見て尚信じられずにいます」
「見習いから……成る程
センパイが彼女に対抗出来なかったのも戦闘パターンを知られてたからか?」
酷な物言いかもしれないが、同じ天使でありながらあの時のセンパイはエクシアに対して一方的な戦闘を展開されていた
だが、旧知となればそれも仕方な…
「……あれはそれだけで片付けられる程単純ではありません。
まともな祝福による洗礼が出来なかった点
事前にエクシア姉様が堕天していた事を天界から感じ取れなかった点
そして何より、
私とて守護天使です。姉様相手でもあそこまで一方的なんてありえません」
つまり、なんだ?それは……
「何かしらセンパイの身体に不具合が起きてるって事か?」
「もしくは、人界そのものに異変が起きてるか……ですね」
「………終末………」
ふと、俺は母さんの言ってた言葉が頭に浮かび口にしていた。
「終末、ですか?」
「……ああ。
エクシアとの戦闘で意識がとんだ時、母さんが俺に言ったんだ。
──“いま世界は終末に向かっている”
──“一つ目の笛は鳴ってしまった”
ってな……俺の妄想と流せる話かもしれんが」
……だが、こいつは実際に存在した。
俺は聖書から顕れた神造機、ディスクプレイヤーを取り出してエクシアのディスクの上に並べる。
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