第四夜 ぼくはしをかいています

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 絵のテーマは『死』である。首を締め上げられて今にも息を引き取りそうになっているキサラの姿が、まるで本物であるかのような迫力ある筆致で描かれていた。  それも当然だった。  だって、ぼくが自分の両手でキサラの首を締め上げながら描いたのだから――。 「ぼくの大事な秘密を知られてしまったのは痛かったけれど、こうして新しいモデルが出来たのは、不幸中の幸いといってもいいかな?」  ぼくは机から新しい用紙を取り出した。 「それじゃ、今から美澄さんの『死』を描かせてもらうことにするよ。ぼくが描いている途中で死んでも、それは全然構わないからね。というよりも、早く死んでもらった方が、絵にリアティが出て良いんだけどね」  ぼくは徐々に血の気を失っていく美澄さんの顔を見つめながら、絵の構図をどうしようかと頭を悩ませるのだった。
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