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拝啓 どこぞの占い師 様
先日、突然あなたに声をかけられた、通りすがりのサラリーマンです。
あの日、どうみても怪しいあなたの忠告に、僕は全く聴く耳を持とうとはしませんでしたね。
しかし今となっては、このお手紙を綴りながら、あなたは僕が何者なのかお見通しなのではないかと、気が気でありませんが……
それはさておき、あの日の夜、あなたの忠告通り僕は悪魔に出会ったのです。
尖った尻尾は生えていませんでしたが、妖艶で人間を振り回し、恐ろしい呪いを僕にかけたのです。
そこでご相談です。
あの日以来、僕はずっと微熱に悩まされています。
息苦しくて、頭はぼーっとして、仕事が身に入りません。薬を飲んでも、しっかり睡眠をとっても、一向に熱が治りません。
やはり、この呪いはあの悪魔にしか解けないのでしょうか?
長い黒髪を靡かせ、不敵な笑みを浮かべ、オカルトを愛してやまない彼女にしか───
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