13人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
デュラハンのデュラハン(この種族には名前という概念がない)。『首が落ちた!! デュラハンだけに!!』というジョークが鉄板ネタだが、誰にもウケたことがない。まれに机の上をごろごろ転がっている。
岩石族のヒュー。彼の発する言語は理解しがたいが、彼自身は周りの言語を理解している。無口というよりは無言なタイプだが、その体格ゆえか存在感が一番ある。塔内に押し売り営業が来た時は彼が対応する。
妖精族の少女の名前はリー。よくヒューと一緒にいるところが確認される。少女とは言ったが見た目がそうなだけで、孫が三人いる。モール所長と孫の話でよく盛り上がっている。
本日、子供の高熱のため欠席の獣人族の女性の名前は“ヤ”。一文字の名前なので、みんなから「ヤーさん」と呼ばれている。“緑”の魔術師の塔のいいところは、食堂に近いところだと思っている。
「少ないねぇ」
盗賊ギルドにて。説明を聞いた、黒髪の男性が呟いた。
「少ないよー。“赤”だと100人ぐらい魔術師いるんだけどねぇ」
モール所長がウイスキーに口をつける。
「“赤”だと、パートの魔術師とかいるんだろ」
情報通である、黒髪の男性が呟く。
「バイトもいるらしいねぇ。ウチも雇おうかな」
「なにさせんの?」
「書類整理とか……」
「魔術師である必要なくない?」
老人のモール所長と、年若い黒髪の男性であるが、この二人は旧知の仲である。
「で、どうすんの?」
最初のコメントを投稿しよう!