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「あ、デュラハンさん、ケーキを直接口で食べないでくださいね。汚いので」
妖精族の少女に怒られた。
「えー、食べにくいってば」
「首を戻せばいいのでは?」
「“緑”の魔術師のメンバーの首を切ることはできない」
モール所長が毅然とした態度で、話を戻すように言った。
「そもそもこの場所に、クビに出来るメンバーなんているわけがないだろう?」
「所長……」
モール所長は、部屋に集まったメンバーを見回した。
「これ以上人手が減ったら仕事が回らなくなる」
モール所長が言うと、テーブルの各席からブーイングが噴出した。
「予算は減ってるのに! 仕事はそのまま!」
「たまには定時で帰りたい!」
「働き方改革! 法令遵守!」
「国のお役所が率先して破ってどうする!」
「俺は新婚なんだ! 家庭が崩壊する!」
「お前結婚したの50年前だろ!!」
「“緑”の塔なのに、ブラック企業とか!!」
デュラハンがけたけたと笑い出す。
「それは“黒”の魔術師の塔に言ってください」
モール所長がコメントした。
「あ、“黒の塔”は、割とホワイトらしいですよ。定時で帰れるそうですし」
「ブラックなのにホワイトとか!!」
デュラハンはつぼに入ったのか、ひたすら机の上でけたけたと笑っている。
「とにかく、我々が取れる行動は、3つ」
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