青のティアラ

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「大丈夫、ちょっとだけだから」 「でも予約もしてないし、大丈夫なんですか? それに……」  かのん君をちらりと見る。カラーとカットなら短くても二時間くらいかかるだろうか。その間、せっかく連れてきてくれたかのん君をほったらかしにしてしまう。 「俺ならその辺でまったりしてるけど? やって貰ったら? 真希ちゃんの変身見たいし」  かのん君はソファに勝手に座って足を組むと、頬杖をついた。余裕の風格。私はまたもこのオシャレ空間に押しつぶされそうなのに。 「じゃ、決まりね。こっちの個室に来て」 「こ、個室……」  個室付きの美容室なんて入った事ないよ-。 「さ、短時間でぱぱっとしなきゃなんだから早く来てよ」  私の内心の焦りを二人はまるで無視して、美容室の奥の個室に連行された。ガウンを羽織りケープを巻かれた。 「あなたブルベなのにこんな赤っぽい色似合わないわよ」  私の髪をふわふわといじりながら、紬さんはため息をついた。そう言われて元彼がこんなんが好きって言った雑誌を切り抜いて美容室で染めて貰ったのを思い出した。 「ぶるべ……?」 「ブルーベースの事だよ。つまり真希ちゃんは寒色系が似合うって事」 「ほ、ほう……」     
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