リアル

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 私はかのん君の事を頭から一生懸命追い出すと、主任から託された膨大なデータを前に気持ちを引き締めた。 「はぁ……目が死んだ……」  ある程度目処がついた所で、ランチ休憩に入る。コンビニで買ったおにぎりとヨーグルトを休憩所に広げてようやく昼食にありつく。そこでふとスマホを見て、私は驚愕した。 「わわわ、これ……全部かのん君?」  かのん君からの鬼メッセージが通知に表示されていた。 「なんなのこれ」  恐る恐る開くと 「おはよう! 今日も1日がんばってね」 から 「今から着替える」 「撮影に出かける」  と実況のようなコメントが続き、あとは撮影風景と思われる写真が続けて貼り付けてある。 「ふーん、こんな風に撮影してるんだ」  白い布? をバックにポーズを撮っている。これは誰が撮ったものなんだろう。スタッフの誰かかな? じっとそれを見ながらおにぎりをぱくついていると、ピロンとまた一枚写真が送信されてきた。 「やっとランチ!」  上目遣いにベーグルサンドをほおばるかのん君。今日はブルーのカラコンだ。 「おいしそう、いいな。私はおにぎり……っと」  私がそう送信するとすぐに返信した。 「おにぎり食べてる真希ちゃんが見たい」  見てどうするんだ……。 「ってかやっと真希ちゃんから返事きた」 「ごめん、さっき気づいたの」     
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