114人が本棚に入れています
本棚に追加
/114ページ
私はかのん君の事を頭から一生懸命追い出すと、主任から託された膨大なデータを前に気持ちを引き締めた。
「はぁ……目が死んだ……」
ある程度目処がついた所で、ランチ休憩に入る。コンビニで買ったおにぎりとヨーグルトを休憩所に広げてようやく昼食にありつく。そこでふとスマホを見て、私は驚愕した。
「わわわ、これ……全部かのん君?」
かのん君からの鬼メッセージが通知に表示されていた。
「なんなのこれ」
恐る恐る開くと
「おはよう! 今日も1日がんばってね」
から
「今から着替える」
「撮影に出かける」
と実況のようなコメントが続き、あとは撮影風景と思われる写真が続けて貼り付けてある。
「ふーん、こんな風に撮影してるんだ」
白い布? をバックにポーズを撮っている。これは誰が撮ったものなんだろう。スタッフの誰かかな? じっとそれを見ながらおにぎりをぱくついていると、ピロンとまた一枚写真が送信されてきた。
「やっとランチ!」
上目遣いにベーグルサンドをほおばるかのん君。今日はブルーのカラコンだ。
「おいしそう、いいな。私はおにぎり……っと」
私がそう送信するとすぐに返信した。
「おにぎり食べてる真希ちゃんが見たい」
見てどうするんだ……。
「ってかやっと真希ちゃんから返事きた」
「ごめん、さっき気づいたの」
最初のコメントを投稿しよう!