リアル

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 元彼は仕事中に連絡すると怒るタイプだったから、こんなにメッセージが来るなんて想定外だった。 「で、真希ちゃんのおにぎりまだー?」  スマホの中ではまだかのん君のメッセージが続いている。 「あ、桜井さん。ちょっと写真とって貰える?」  私は隣でお弁当を食べていた、同僚の桜井さんにスマホを渡した。 「写真?」 「うん、おにぎりを食べているところを……」 「なにゆえ……」 「その、か……彼氏? が見たいって」 「え、あんたの彼氏ってそういうタイプだったっけ」  あう、そうか。桜井さんには一昨日破局した事を話していなかったんだ。 「その彼氏とは違くて……また別の」 「は!? 別の彼氏? 初耳なんですけど?」  桜井さんの目が鋭く光った。う、怖い。 「撮ってもいいけど、その彼氏の写真見せて」 「えええ~?」  私がしぶしぶさっきのベーグルサンドの写真を桜井さんに見せると。彼女は固まった。 「~~~~~!!」 「さ、桜井さん?」 「これ、かのん君じゃない!!」  え、知ってるの?  「私フォローしてるよ、ほら!」  桜井さんは素早く自分のスマホを操作するとSNSの画面を開いた。 「フォロワー……2万……」 「知らなかったの!? マジ? 信じらんない」     
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