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桜井さんは鼻息荒く、かのん君がいかに天使かを語りはじめた。それは昨日私は嫌と言うほど実感したんだけど。
「よし、長田はおにぎり食べてて写真とるから」
「ちょっと、桜井さんも映るの?」
「へっへっへ」
桜井さんは私のスマホを自撮りモードにすると、おにぎりを持っている私と一緒に写真を撮った。
「はい、送信っと」
するとまたすぐにかのん君から返信がきた。
「美味しそう! 隣は会社の人?」
その画面を横から覗いていた桜井さんはにま~っと微笑んだ。
「ふふふふふ……やった……かのん君に認識された……」
「桜井さん……」
「今夜! 飲みに行くわよ! ちゃんと話しして貰うからね!」
ギラギラと獲物を狙う目の桜井さんの勢いに私は絶対に逃げられないことを悟り、静かに頷いた。
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