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first。
夕陽が反射する煌びやかな海。
私たちはこの大自然に囲まれたこの街を愛している。
街には突出したものがあるわけではないが、人情に溢れ、日中は街中に陽気な声や音楽が入り混じる。人口も少なく、都市部から離れているこの街から出て自分の夢を追いたいなんて事は誰しもが思うことだ。
そしていつか帰ってきてこの大好きな{ネビリウム}の街に恩返しをしたい。
ネビリウムから都市部に出る人はいない。
正確には、自分の意志では出られないとも言えよう。
自分の意志で出る者は執拗に責められ、尋問が始まる。
しかし。命に別状はない。寧ろ体は無傷だ。
そうして、愛情が憎しみに変わりこの街に骨を埋める覚悟をする。
ネビリウムとはそういう街だが、私にはどうしても気になることがあった。
【自分の意志ではない所では出れる】
これは子供の頃から沢山言われてきた。
大人になるとその疑問は大きくなる。
私たちの中にその根拠を知るものはいなかった。
「リアナー!ちょっとこれ手伝ってー!」
私が深く考え込んでいるタイミングを見計らったかのようなタイミングで
彼女は姿を現した。
「えー?ちょっとなにそれどっから持ってきたの。。」
私なら1人で持ち歩くことが出来ない物を一人でここまで持ってきたことが不思議に感じた。
彼女は幼い頃からとてもか弱い子、病弱な子だった。
幼い頃から知っている私は彼女の親と同じような気持ちを抱く。
「海岸の方に向かっている最中に突然出てきたの。もー本当にビックリした!!でも、こんな大きい男も久しぶり!!!」
「も~。とりあえず早く持ち帰ってモーアに捧げましょ?」
そう。私たちはもう一つ教えられていることがある。それは。。。
私たちと違う性別の者は駆除対象だと。
言わば、【男子禁制】とゆうものである。
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