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(02.)
「異能力者は、今から15年前あたりから現れた異能力ーー異能の力を持つ人間になった者だ」教師がつまらなそうに淡々と述べる。「異能力を端的に説明するならーー火の玉を撃つ、空を飛ぶ、という普通ならライターや飛行機などを使わなければ不可能な行為や現象を生身で使えるといった力をいう」
昼食後の授業は、最近になって学校でも教えるようになったという“異能力者”とやらについての一般知識。
社会の枠のなかで異能力を学ばせようーー国はそう決めたらしい。
異能力者の歴史や法律、基本知識などを、授業の枠をなるべく潰さず教えようとする意欲が梅沢先生から伝わってくる。
異能力について初めて学ぶのに、授業の初っぱなから既に飛ばし気味だ。
肝心な部分以外はだいぶはしょっているのだろう。
おそらく、異能力のせいで社会を圧迫しないよう先生は考えている。普段より早口なのが証拠だ。
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