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「異能力者はいきなり現れるわけじゃないからな? おまえたちの誰かが明日、急に異能力者になってしまう可能性もある。異能力者は、異能力霊体という謎の存在に憑依されるだけで、人間から変化してしまう。ああ、そうだな。言うなれば、急性の疾患、病みたいなものだ。異能力者になった瞬間、異能力の使い方や知識等を一瞬で学べるとされている。つまり、憑依された瞬間、異能力者になったと考えろ。条件はまだ未知数ゆえ、誰が何時なるか判明されていない」さて、と先生はつづけた。「異能力者になったらどうすればいいか」
先生は黒板に文字を書いていく。そこに書かれたのはーー。
『異能力から市民を守る為の法律』
『異能力犯罪特別法』
「これら二種類の法律に従い」
もうふたつ、今度は赤のチョークで黒板に書き込む。
『異能力者保護団体』
『教育部併設異能力研究所』
「都道府県ごとにひとつ設立されている異能力者保護団体に、身分証明書と住民票を持って検査・確認しにいかなければならない。これは、異能力から市民を守る為の法律、第三章の4条で定められている。教科書71pを開け」
教科書を開いてみると、そこには法律の一部が書かれていた。
『ーー異能力から市民を守る為の法律
……
第三章 異能力者の指定・行動
……
第3条 許可を得ない異能力の行使を禁ずる。ただし、以下に掲げる者は例外とする。
1異能力者教育部従事証明書を持つ者。
2異能力者保護団体従事証明書を持つ者。
3異能力研究所に協力者として勤めており、異能力研究所管理責任者の命令で行使する者。
第4条 異能力者になった場合、以下の各号を守らなければならない。守らない異能力者は罰する。
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