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ババネコ回顧録
私は猫である。
名前は、そう、沢山あった。
なんたって私は100回も生まれ変わってるんだから。
タマ、ミーちゃん、ちび……。もちろん一生野良猫だった時とか、生まれてすぐに川へ放り込まれた時には名前なんて無かった。
そうそう、前回生きてた時の飼い主がミュージカル好きで、一緒に猫のミュージカルをビデオで観た。その主人公の名前を私に付けたんだけど、言いずらかったのか、いつも『グリベー』って呼んでた。
今私は100回目の"生"を終えようとしている。自分でも分かるくらい老いさらばえてしまった。毛並みは荒れて痩せ細り……そう、あのミュージカルの歌の歌詞の通りに。
本当はもっと早く終わりにしたかった。なのに今の飼い主ときたら病院だ薬だと散々私に手を掛けてくれた。餌も老猫用の餌を買ってきてくれる。
昔だったらとっくにお陀仏だっただろうに、今の時代は猫に優しい。
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