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ルナの魔法
「今日は日販70万円だったの!?」
村上絆はびっくりしていた。
「そうみたいですよ。朝、チキンのファーストフードとかのチキン類、サラダ、ヨーグルトが売れたみたいで、弁当、ファーストフードがかなり売れて利益率も高かったみたいです」
シフトバイトの同級生のハネケが解説してくれた。
彼女は金髪碧眼の日系オランダ人ハーフである。
手足が長く細く、なかなかの美少女である。
絆の両親はハネケと絆のおかげで今日はぐっすり眠れている。
金、土曜日の夜勤は同級生のお陰で両親はゆっくり休めるのがありがたかった。
「こんばんは」
POSレジの上にAIの妖精ルナの姿が浮かび上がった。
ちょうど、時計を見ると深夜三時ぐらいであった。
「小さな妖精さんだ! 昨日はどんな魔法を使ったんですか?」
絆はAIの妖精ルナの可愛さに微笑みながら質問した。
「夜のチキン、サラダ、ヨーグルトのダイエット効果のニュースから、発注をかけて厚めに販売してみたよ。ファーフードフードのチキンは利益率が高いから、利益も上がってると思う。この調子でいけば、月収100万ぐらいは行けますよ」
ブルーの瞳がキラキラと輝く。
「凄い! 妖精さん、偉い!」
絆は喜んでルナを褒めた。
「とはいえ、これは一時的なものなので、回転率の高い、弁当、おにぎり、惣菜辺りの発注を見直していくよ」
「どういう風に?」
「本来は宅配メニューのローカロリー弁当に変えてヘルシーさをアピールし、ちょっとお高い親会社の無添加PB商品を加えて客単価を上げつつ、さらに健康志向にしていきます」
「なるほど、なるほど。難しくてわかんないけど、それで行っちゃおう!」
と絆は調子に乗る。
「では、あとは私にお任せを!」
AIの妖精ルナは、またも夢のように消えていった。
「じゃあね!」
絆は上機嫌にいう。
ただ、その姿をちょっと不審な目でハネケは見ていた。
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