Sadism

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Sadism

 目が覚めると、私は鉄格子の部屋で、ベッドの上に横たわっていた。おまけに、どうやら私は小さな布一枚すら身に着けていないらしい。部屋のひんやりとした空気で、全身に鳥肌が立つ。  両手両足を動かすと、ガチャガチャと金属同士がぶつかる音が聞こえる。私の両手両足には手錠が嵌められており、反対側がベッドの四つ角に繋げてある。残念ながら、私は体を起こすこともできず、ベッドの上に大の字でいるより他にないらしい。  首を動かし、壁の方に目を向けると、大きなタイマーのような装置が目に入る。機械の画面には、[100:00]という表示が見える。その意味は私にはわからない。  どうしてこんな所にこんな格好でいるのだろうと、私は記憶を辿る。昨日は仕事が終わってから、同僚と居酒屋で飲み、その後、一人で行きつけのバーに行った。たしか、午後十時を少し回った頃だった。そう、たしか、バーで一人の男に会ったはずだ。  カウンター席に座り、私は一人で大好きなボウモアをストレートで舐めるように飲む。ときどき、ピスタチオの殻を割って、緑色の実を口に放り込む。     
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