安達祐実の大ファンだっ!

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 このエルドラドのような酒場は残念ながら私の空想のなかにしか存在しない。大きな溜息をついて、しかし老人はあることに気付いていた。この日本にはいつの頃からか「ブログ」という制度があるようだ。これはつまり掲示板のようなものではなかろうか。そこに私見を述べることができ、興味を持った人が読んでくれる。これは老人の欲求にピタリと合う。  そうだこれだ、と跳びあがらんばかりに喜んだ。けれどもそのブログは何をどうすれば実現できるのかまったく分らない。役所の住民課を訪ねても「ブログ係」は無いような気がする。やはり今の世の中老人には甘くないのだ。しかしこれをクリアしないと家なき子について語れない。老人は必死の思いでブログという巨大な風車に立ち向かう決意をしたのだ。  有り難いことに意外なほど簡単にブログができそうだ。やってみるもんだな。最初に私見だと断っている。これなら人に迷惑は掛けない。掛けたりして。  安達祐実のファンも、そうじゃない人にも読んで貰いたい。                       (つづく)
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