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追想
あなたを残して外へ出たとき
空もどうやら滅入っているようで
ここで雨が降ったなら
それは涙雨だと思った
あなたを悼み 震える吐息の数々が
遠い天上の水面すらかき乱すのだと
あなたを灰にする明日など
雨脚に打ちのめされればいい
あなたの魂はひた濡れて
燃えきらずここに残ればいいと
残酷な思いが浮かんでは積もって
胸の中で重たかった
なのに またあなたの前に立つときは
その 今は仮初めで
明日には永遠に変わる
微笑みを前にしてしまっては
とてもそんなことは願えないと
分からなくていいのに 分かってもいた
魂は自由になって
どこへなりと 好きなところで安らげばいい
そのために この私が
あなたを惑わすようではいけないから
私は決して俯かなかったのだ
雨は次の日に降った
あなたを灰にするその日に
私の願いを叶えるには 優しすぎる雨だった
けれど ふと これは
わがままを言わないあなたらしく
そっと 離れたくないと訴える
遣らずの雨かもと思ったら
あなたの最後の願いに
もう してあげられることがないと気づいたら
打ちのめされ
濡れそぼって動けないのは 私の心のほうだった
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