4、偶然が必然に変わる可能性
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4、偶然が必然に変わる可能性

 金曜日の朝、千葉県警察本部の正面ロビーはいつもより慌ただしい。  今日も晶子の日常が始まった。  ひとりのおばあさんがキョロキョロしながら受付にやってくる。 「免許でなんか呼び出しがあったんだけど、なんか変えないといけないのかいと」 「運転免許書き換え講習ですね、二階の右手奥の四番窓口で用紙貰って書き込んで並んでください、写真は二階のエレベーター枠に機械があります。」  すかさず答える晶子。そう彼女は正面入り口からこのおばあさんが入ってきた瞬間から顔を見て「ゴールド免許書き換え」と確信していた。警察と事件に関わる関係者を四年間毎日見続けた彼女にとってこんなことは朝メシ前どころか起きる前の無意識の範疇だった。   今度は白髪交じりの冴えないおっさんが近付いてきた。 「あのぉ、すいません、ちょっと事件の糸口が絡まっちゃって見えてこないんですが?」  この男は元刑事で現在、絶賛窓際生活中の定年間際警察官・舟橋保男だった。 「その件に関しては昨日じゅうぶん相談に乗ってあげたはずですが」  制服を着て受付業務中の晶子は無表情に答える。     
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