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本来であれば元凶である祖母にあらゆる責を返還すべきなのでしょうが、残念なことに祖母は気まぐれのめんどくさがりで、さらに残念に残念を重ねる事に、数千年以上前の神話のような大戦において、最悪の呪術師として悪名高い二つ名を数多く賜ったという腕利きです。本人が自発的に面倒な大家業をする事はないでしょうし、無理やり腕づくでさせるには、伝説の勇者とか火竜山の主とか、国家元首とか大統領とか、なんかそんな感じの凄い人でないと難しいと思います。
そういう訳ですので、心苦しいのですが、きっと不幸な方が後釜に座る事になるのではないかと思っています。そんな不幸なあなたに、少しでも私のような苦労をさせないためにも、どうかこの日記を熟読して心労の軽減された大家ライフをお送り頂ければ幸いというわけです。
それでは、個人的には短い日記になる事を願いつつ、これから日々の出来事を記していきたいと思います。
宜しくお願い致します。
大樹歴四千八百十二年 吉日 森=アリシア
〇宿泊客:勇者フリーク
その後、不定期でちらほらと勇者フリークがやって来ては、聖地巡礼とか言いながら神樹アパートの101に泊まるようになったらしい。
ついこの前から、森役場の会議でイサムを使った森おこしをしようという計画も進んでいるのだとか。
そんな大樹の森もまだまだ知名度が低いので、神樹アパートの月単位の入居者はまだ一人も居ないという話。当分アリシアは都会に戻れないようだった。
<了>
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