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おばあちゃんが亡くなりました。
3日前の朝でした。
87歳でした。
いつものように、朝、コーヒーを入れて、パンを焼き、ピーナツバターをたっぷり塗ったままテーブルの上に顔を伏せ眠ったように逝ってしまいました。
そして、おじいちゃんが一人残されました。
おばあちゃんとおじいちゃんは二人暮らしだったので、おじいちゃんは1人ぽっちになりました。
おじいちゃんが亡くなったおばあちゃんの髪を撫でています。
おばあさん、おばあさんは自分の葬式なんてやらないでって言ってたけど、子供達がどうしてもやりたいって言うから。いいよね、許してね。
おばあさんの大切な子供達、孫達がみんな来てくれているよ。
ただ、あの子だけは・・・
おじいさんは深いため息をひとつ漏らしました。
それにしても、一緒に百まで長生きしようねって言ってたのに、ちょっと早過ぎるんじゃないかい?
おばあさんは心配性で、いっつも誰かの心配ばかりしていたから、こんなに早くお迎えが来ちゃたんじないのかな。
まあ、それがおばあさんの良いところでもあるんだけど。
僕はおばあさんの分まで長生きすることにするよ。
だから、当分会えないね。
葬儀屋さんが、さあ、皆さん、もっとお近くにお寄りください。と言いました。
皆はおばあちゃんの遺体の側に寄ってきました。
子供たちのすすり泣く声が聞こえます。
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