1人が本棚に入れています
本棚に追加
高校の入学式が終わって、体育館から教室に移動する。
色んな中学からの寄せ集めで、新クラスメートは構成されている。
同じ中学からの顔見知りは5名ほどで、あとは知らない顔ばかりだ。
「よぉ、お前もこの高校だったのか?」
後ろから肩を叩かれる。
「まあ、な。知り合いがいて助かったよ。」
「良かったら、こっち来いよ。みんないるから。」
同じ中学だった時は、2~3度しか話したことのない顔見知りでも、
知らない顔ばかりの高校だと、心の距離は縮まる。
教室に4~5名の集団が、8集団ほどできている。
みんな同じ中学の顔見知りとは話すが、
他のグループには、よそよそしい。
新担任が入ってきて授業を始める。
最初の授業は自己紹介を兼ねたオリエンテーション。
机を教室の隅に押しやって、イスを丸く並べて
フルーツバスケットをする。
人数より一つ少ないイスで輪を作る。
鬼が一人真ん中に居て、
「○○中学出身の人」と言えば
○○中学出身者が、別の席に走って移動する。
イスに座り損ねた人が鬼で
「中学の時、テニス部だった人」と言ったら
テニス部出身者が立ち上がって席を取り合う。
鬼が「フルーツバスケット」と言えば
全員が席を移動する。
繰り返していると、色んな中学出身者が混じっていく中
常に、隣の席の人に話しかけている人がいた。
「なぁなぁなぁ、こないだな、こんなん、あってんやぁ。
それで、こうで、こうで、こう言ってるねんけど~」
最初のコメントを投稿しよう!