第一章 戦闘の後にあるもの

2/6
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
「あんなに敵に囲まれて、死体撃ち(あおり)なんてできるか!!」  10人くらいに囲まれてたよ俺!!  それでも引き金引いて殺してたんだから、少しは褒めてもいいんじゃないですかね!  しかしルギは小首をかしげて、薄笑いを浮かべた。 「マスターなら出来ると思うのですけど」 「無茶だ! それにあんな状況で煽るほど腐ってねえぞ!!」 「そうですね。弾がないから相手のマガジンを奪い、自分の銃に付けようとしてもハマらず、それに対して怒り、銃を蹴んのように振り回しガキのように――」 「それより、アイツはどうした? ……いや、まず怪我は?」 「……ねえ、マスター」  目線を逸らしてるから、ルギが今どんな表情してるのかわかんないけど。……うん。 「話を逸らさないで下さ――」 「えっ? 逸らしてなんかないけど。えっ、こわい」 「怖いのはマスターの方だと思うのですけど」  ため息をつくルギは小さな声でぽつりと。 「マスターは自分の都合の悪い話になると難聴になるのでしたね」  ええ……っと、それは嫌味ですよね聞こえてるよ!!  叫ぶ内心に、ルギは答えた。 「大丈夫ですよ。怪我もしていないですし、アレも倒しました」  表情(かお)を見ることをできれば避けたいところだが、まあ大丈夫だよ、たぶん。     
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!