第一章 戦闘の後にあるもの

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 彼女の手にあるのは小さな紋章――そう、ボスに見せられた敵国(がぞう)の証しで間違いなかった。  視界に入ってしまったルギはニッと笑い、ブイサインをする。褒めてほしいアピールをしている。 「さすがだな。ほんと助かった、ありがとぉな」  素直にそう思い、自然と口に出していた。  褒めてほしいんならいつでも褒めるけど。  っていうか、今って膝枕―― 「ルギさん? エヴェルギさん? この膝枕はどのくらいしてました?」  その問いに「う~ん」と。 「30分くらい、ですね」  思ってたより長いっ! 「ごめん、すぐ退くから」  膝枕してもらうことはうれしい。  美少女に膝枕してもらって頭撫でられることが嫌なわけがない。  けど、それを相手に付き合わせることはない。同意の上ならいいと思うけど。  申し訳ない、と腕を地面について体を起こそうと力を入れた。  が、 「あ、ちょっとマスター。まだ寝てていいですよ!」  両肩を掴まれて、遮られてしまった。 「もう大丈夫だって。そんなに心配しなくても――」 「マスターの『大丈夫』は信用できないのです。いいから寝ててください」  ……いや、そんなこと言われてもな。  確かに、まだ意識がぼんやりするけど、このくらい。  真っ直ぐ見つめられた瞳に気づき、少しうるうるしているように見えた。     
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