第一章 戦闘の後にあるもの

1/6
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ

第一章 戦闘の後にあるもの

「まぁ~あすた~? 起きましたぁ?」  ぼんやりとする意識に入り込んできたのは、甘い綺麗な声だった。 「……ぁあ、起きた」 「寝ぼけてますね、マスター」  目の前にあるのは俺の大事な人で――とても不気味な笑みを浮かべていた。 「マスターったら、急に倒れちゃうんですもん。敵を目の前にして本当に危なかったですよ!」 「あっ……そ、それは……」  確かに俺はさっき敵の前で倒れた――というか、意識が飛んだ。  敵を前に倒れるということは『死』同様。  それでも今生きているということは彼女のおかげだ。  きっと倒れた俺を守り続けていた。  ありがとうだよ、感謝だ! 彼女の偉大さが分かる――けど! 「後ろからマガジンで頭を叩いてくるとか予想できるかッ!!」  仕方のないことなんだよ、うん。仕方ない。 「言い訳ですか。それに真後ろの、それも視界に入ってましたよね? 叩かれる前に見ましたよね(・・・・・・)?」  何故それを知っている!? 俺の思考が止まった。  彼女――ルギことエヴェルギの言う通り俺は見ていた。  けど――けどねっ! 「息を殺して伏せてたら死んでるって思うじゃん!!」 「なら撃てばよかったんじゃないですか」     
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!