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第一章 戦闘の後にあるもの
「まぁ~あすた~? 起きましたぁ?」
ぼんやりとする意識に入り込んできたのは、甘い綺麗な声だった。
「……ぁあ、起きた」
「寝ぼけてますね、マスター」
目の前にあるのは俺の大事な人で――とても不気味な笑みを浮かべていた。
「マスターったら、急に倒れちゃうんですもん。敵を目の前にして本当に危なかったですよ!」
「あっ……そ、それは……」
確かに俺はさっき敵の前で倒れた――というか、意識が飛んだ。
敵を前に倒れるということは『死』同様。
それでも今生きているということは彼女のおかげだ。
きっと倒れた俺を守り続けていた。
ありがとうだよ、感謝だ! 彼女の偉大さが分かる――けど!
「後ろからマガジンで頭を叩いてくるとか予想できるかッ!!」
仕方のないことなんだよ、うん。仕方ない。
「言い訳ですか。それに真後ろの、それも視界に入ってましたよね? 叩かれる前に見ましたよね?」
何故それを知っている!? 俺の思考が止まった。
彼女――ルギことエヴェルギの言う通り俺は見ていた。
けど――けどねっ!
「息を殺して伏せてたら死んでるって思うじゃん!!」
「なら撃てばよかったんじゃないですか」
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