隣の彼女

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*  丸わかりな態度により、明稀が皆人に並々ならぬ好意を持っていることについては女性スタッフの大半は知っていた。その中で恋愛相談に乗ってくれていたのは、明稀と同い年同じ高校生バイトである江崎和花(えざきわか)と、明稀の直属の上司である社員の細田葉月(はづき)だった。  「今が告白のチャンスだろうか?」と明稀が二人に聞いてみると、和花は「へこんでて淋しい時期だろうから、付き合ってくれるはず」と賛成したが、細田の方は「彼が落ち着くまで、もう少し様子を見たら?」と消極的な見解を口にした。  細田は職場内で皆人と話す機会が多く、彼と特別親しい。細田も密かに皆人に片思いをしていて、同じ職場にいる明稀にとられたくないと思っているのかもしれない。そう考えた明稀は、いよいよ皆人に告白する決意を固くし、バレンタインデーの日に行動に移した。  結果は…和花の読み通りだったのだろう。「俺でよければ」という返事を貰い、あっけなく憧れの人との交際が始まった。
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